アフタヌーン3月号。
なんつーかもー。
ちょっとひどくない?三橋くん。
タジキスタンにいろいろ開眼されちゃってるエースの
予想以上の野球感覚の悪さにびっくりです。
ベンチ阿部が(自分では知らないうちに)
だんだんかわいそーな状況になってきていてどうしよー、という感じ。
だいたい、「首振る投手がキライ」な理由が
「阿部くんの根っこに榛名サンがいる」からだってわかってんじゃん。
それでも、表面上の嫌われない工夫はするくせに
自分から好かれようという努力はしないなんて、
臆病を通り越して強欲だ。
あれはもう、過去のトラウマのせいだけじゃなくて
三橋がひとりっこということに
大きな要因があるような気がします。
・・・ひとりっこにケンカを売っているわけでは、決してない。
野球に限らずスポーツ全般や芸術方面などで
兄弟姉妹が同じ道に進むことは実際に少なくありません。
せっかく緻密なキャラデータがあるマンガですので
ちょっと簡単な統計をとってみましょう。
注1:ここからは20年くらい前に読んだ、漫画家・浪花愛さんによる
某サッカーマンガでの考察をうろおぼえのまま底本としています。
うろおぼえといいつつも、浪花愛さんが考察の元とした
学術書の名前まで記憶に残っているほど面白くて
何度も読んだマンガでした。(・・・だから見逃してください)
学術書は検索したらもちろん引っかかりませんでした。
なにしろうろおぼえなので。
注2:さらにそこに物語上の設定を絡めて個人的な見解を述べている
だけなので、実際の兄弟姉妹関係がこうだと言っているわけでは
決してありませんので、くれぐれも誤解なきようおねがいします。
ちなみにわたしは同性2人きょうだいの下です。
まず兄弟姉妹での位置関係を
「うえ」「した」「まんなか」「ひとりっこ」の
4つに分類してみます。
「うえ」、つまりお兄ちゃんお姉ちゃんの特性はおおまかにみて、
面倒見がよく慎重で我慢強く責任感がある。
反面、冒険ができなくてあきらめがよすぎる。
「うえ」は、いずれ我慢を強いられたり
あきらめなくてはならない状況にぶつかることが多いのですが
「した」ができるまでは親の愛情や期待や干渉を一身に受けているわけです。
第1子として大事に大事に育てられた歴史を持っているため
よゆうがあって比較的おっとり型。
西浦メンバーでは、阿部・花井・西広くん・浜ちゃん。
(モモカン・しのーか・ウメちゃんも)
桐青では和サンのみ。(ロカさんも)
他校では、叶くん、織田くん、イッチャン(ルリちゃんも)
(・・・山田太郎や小湊亮介も)
それに比べて「した」は、甘やかされるのか放任なのか
比較的自由で、好きなように勝手に育っていきます。
きょうだいではじめたスポーツや習い事を「うえ」がやめてしまっても
「した」が続けて一生の仕事にするのもよくあることで、
事実、プロ野球選手や金メダリスト、
相撲の横綱にも「した」がほんっとに多いです。
生まれたころから絶対的なライバルがそばにいるせいで
「うえ」にはない強い負けん気が育つそうです(とくに男兄弟の弟)。
また、絶えず親の干渉を受けている「うえ」をみて育っているので
要領がよくちゃっかりしている面も多くあります。
西浦では、泉くん・沖くん・フミキ・そしてもちろん田島くん(援団カジも)
桐青では、準太・利央・マサヤン・前チン・タケ・迅・慎吾。
他校では、榛名・秋丸・ハタケくん・タイさん。
(・・・小湊春市、伊佐敷純もたぶんここ)
美丞戦での打者シフト研究を田島がいち早く気づいて
花井にアドバイスを送ったときの
泉くんとの反応のちがいが、そういや実に顕著でした。
花井でいえば、田島という才能の前に自分をあきらめずにいるには
かなりの自己啓発が必要なんですね。
あきらめないって単純にいうとワガママの一種だからさ、
自分はワガママを言っちゃいけないという経験が
刷込まれているんです、お兄ちゃん。
かといってタジマに冷たくしたり憎んだりしないおっとりさが
負けん気の強い泉のカンに触るんですねー。
泉くんの他のコにない気の強さは実の兄と、
兄みたいな浜ちゃん(と浜ちゃんの挫折)の
相乗効果があるのかもしれないです。面白い。
ところで「うえ」「した」には2人以上の兄弟姉妹での状況もありまして
才能という面で特筆すべきは「末っ子」という存在です。
兄弟姉妹内でのライバル関係は男同士の2人きょうだいで特に著しいのですが
結局最強なのはやはり「末っ子」。
親からの愛情も自由さも要領のよさも、一巡してすべて与えられ、
幼少から自然に英才教育を施されているようなものだそうです。
結局どんなワガママもたいてい最後には聞いてもらえる立場にいるので
ゆえにあきらめることを知らないし考えない。大成することが多いわけです。
前述の「した」のなかでは真柴くん(兄姉)、秋丸くん(姉姉)、
(・・・岩鬼も兄兄兄4人兄弟の末弟)
そして田島くんは男女バランスのいい5人きょうだいの末っ子。
しかも大家族というおまけ付き。・・・がんばれ花井にーちゃん。
さて、「まんなか」です。
当然2人以上のきょうだいが前提なので、
そこにはすでに社会が形成されています。
「末っ子」がすべてを残らず与えられるのに比べ
「まんなか」はなんでも程よく得ます。ゆえに
バランス感覚のよさと状況判断に長けているのが大きな特性といえましょう。
「うえ」の面倒見のよさがまんべんなくも紋切り型なら
「まんなか」は困っているひとをみて
その状況にあった手助けをすることができるのです。
つまり本当の意味で、面倒見がよく親切だということでしょう。
「まんなか」のひとが困っているのを助けないときは、
それがのちのち相手のためになると思ってのことなんですね、三橋くん。
・・・もうすでに固有の人物像が浮かんでいることと思いますが
西浦では、いいひと代表栄口くん(姉弟)と巣山くん(兄弟)。
他校では、ヤマさん(姉妹)・大地(兄兄兄妹。彼も広義では末っ子に近い)
・カグヤマくん(兄妹)。
必然的に少ない(2人以上のきょうだいがそもそも稀少だから)
「まんなか」のなかで、副部長が2人もいるのがいい事例です。
ちなみに桐青は、うえ・した・まんなかでそれぞれ
部長・副部長・副部長を振り分けていて実にバランスがよい。
西浦はうえ・うえ・まんなか。
・・・下級生が入ってきたら栄口くんが大変そーだな。
(しかももうひとりの副部長が一番社会性無いし。)
そしていよいよ本題、「ひとりっこ」です。(前置き長!)
ひとりっこの人格形成は、その環境に大きく左右されるそうです。
ゆえにマイペースだったりしっかりしていたり才能豊かだったり。
環境によって180度変わるとか。
・・・しかしどんな環境でも多かれ少なかれみられる特性は
ひとりっこは概して他人の気持ちを理解しない
ということです。転じて、
ひとが自分の気持ちを理解しようと思っていることも考えない。
・・・重ねていいますが、
ひとりっこにケンカを売っているわけではありません。
要は感情のガードが堅い、ということです。
当然、主人公・西浦エースの三橋がひとりっこなのですが
実はプロフィールが明らかになっているキャラクターで
なんともうひとりだけいるのです、ひとりっこが。
桐青3年・ファースト本山裕史。
・・・とたんにモトやんがミステリアスに見えてくるのが不思議です。
スポーツマンガの主人公にひとりっこが多いのは
それゆえ劇的な心情変化がドラマチックだからでしょうか。
栄純や翼くん、テニスの王子もそうじゃないっけ?
ジョナサンやジョセフや丈太郎も。
注:ジョジョはスポーツマンガではありません。