アフタヌーン12月号
あと3回で3点差。
高校野球において7−4の3点差がもう厳しい、と思うのは
和さんが美丞を知っているからだろうな。
それは彼がロカさん、そしてそのロカさんが就職もせずに(←想像。
でも大学卒業したてのコーチなんてバイト程度のもんでしょうな)
サポートをしている滝井監督に、間接的な信頼を寄せているからだろうとも思いますが、
西浦の実力を痛感している名捕手ですらそう思うってのは、
いよいよヤバい感じの7回ウラです。
西浦の打順はトップに戻って1番手・泉くんは三振で1アウト。
2番・栄口くんはよくやったね!
あの局面でボールを2つ見ての心理戦はさすが副キャプ!
前回の身体を張った捕球といい、シニアで野球をやっていたコは
学校やリトルとは別の観点から、打順の意味やいま自分のすべきこと、
「考えて野球する」ということをみっちり仕込まれてくるのでしょうか。
やさしいだけじゃないしっかりものの彼はプロになったらぜひハエヌキで!
もうすごく人気でるだろうなー、いずれ選手会長なんてやっちゃったり。
大社ドラ6位で西武なんてどうでしょう。地元推奨派です。
・・・さて。3番・巣山くんは打たされてファーストフライ。
確かにセオリーはバントでサインもそうだけど、
いまの田島になんとかしてもらおうというのは、実に消極的でいかんですよ。
ああでも忘れがちだけど、どいつもこいつもまだ1年生だもんなあ。
コドモってことは所詮、無意識に依存体質の生物なわけです。
それに気づくのはコドモでなくなってからなので、少し苦しい。
2アウトでランナー1塁、4番・パニック田島。
キャッチで4番(・・・しんのすけ!)はまだしも
いきなり逆っていうのは、もうどんだけ大変か想像もつかない。
結果は栄口くんの健闘もむなしく、残塁でチェンジの8オモ。
匠くんはチョーナマイキでいい投手。
三橋ほどの制球力を持った投手なんて、プロにだってめったにいません。
だから、偶然とハッタリに支配される野球というゲームの中で、
自分の思った通りの配球で試合を進められるなんて、
そんな夢そのものの状況に抗える捕手なんているわけない、と断言します。
阿部の過去と性格のキツさから(てゆうか高校男子としては阿部に限らずどの子も
すごく穏やかだと思うけどね!地元の球児とかみてると坊主でなきゃチンピラかっつーぐらい
ガラわるくて、でもそれがフツーだし)阿部に努力を求めがちだけど、
この場合イレギュラーなのはむしろ三橋。
お互いいろいろ考えて反省しててすごくえらいけど、
潜在的にハルナよりずっとワガママじゃんと思っていたエースの思わぬ成長にびっくり。
それでも、上から下へ受け継ぎながら「考える野球」をより早く実践してきた美丞ナインは
チームづくりも監督との連携も、西浦より当然完成されています。
つまり監督にいわれて理解するのと、自分たちの理解が監督に近いのでは
ずいぶん差があるということです。
もうね、フツーなら勝てないよ。相手だって躊躇なく勝ちにいくさ!
だって後がないんだもん高校野球。
だからあの試合、最終回の落合の采配はだれがなんといおうが
間違いでもエゴでもない。
もし山井のマメがつぶれてなかったとしても
必要だったら落合は岩瀬をマウンドに上げただろうし
きっとみんながそれに納得したよ。
あの試合あの場面で、なにより必要だったのはたったひとつの勝ち星で
それがどんな大記録より重要だったのは
第1戦で完投してシリーズタイの奪三振記録を打ち立て
さらにあの若さで沢村賞まで受章したダルの今日までの表情をみていればよくわかる。
そして大記録を残せなかったからといって
山井の投球がとんでもなくすばらしかった事実に変わりはないんだし!
・・・話がそれました。
それでもやはりマンガですから、
野球好きには非常に苦しく痛い伏線が張ってあるわけです。
グラウンドに思いを残してそこから動けないでいるロカさんに、
少しづつ狂わされている岳士。
過去の出来事が澱のように積み重なって身動きがとれなくなった彼は
自分とは関係ないはずの阿部のケガまで背負ってしまったようにも見えます。
もしこれが西浦の勝利の突破口だとしたら、それはとてもつらいことだ。
みんなにいってやりたい。
準太にも利央にも和さんにもタイさんにも、
もちろんロカさんにも。
ついでにクリス先輩や、丹波先輩にも。
そして広陵の野村くんにも。
甲子園を目指した高校の3年間は
激しく短く辛いことの方が多かったかもしれないけど
そこで全てが終わりじゃないよって。
あの夢の中にいたような試合の後、甲子園を思い返すたびいつも浮かんでくるのは
応援していたはずの佐賀北の子たちではなく、負けてしまった彼らのことです。
今年の高校生ドラフト、優勝の進学校からはもちろん
強豪で知られる準優勝・広陵からも、プロ志望届を提出した選手はひとりもいませんでした。
岳士のやったことはけして許されることではないけど
でもいま、あの状態の彼から野球を奪うのは
人生そのものを奪うのに等しいことなのではないかしら。
ケガは、克服できる。
治っても治らなくても、いつか過去にできます。
でも自分が一番大切にしていることでついた内側の傷は、そう簡単に埋まるものではなくて、
だからころ、岳士をたすけてやってほしいと、切実に思います。
もしまだ、間に合うのなら。
ストライクのサインを読まれてのさらなるピンチ。
でもいまの三橋に以前ほどのコントロールはなく、
つまりサイン通りにストライクを入れられないというわけで。
不本意なかたちで西浦が勝つ伏線が、やっぱりちりばめられているように思います。
期待(というよりせめてもの救い)は、美丞が負けることでロカさんに鉄槌が下ること。
彼の場合は滝井監督にバレることで、結果救われると思うし。
そして西浦の子たちが困難の前に、だれも野球をあきらめてないことでしょうか。
しかし、キツいですね。
ホントの試合ならどんなに長くても5時間あれば終わるのに
彼らはもう何ヶ月もかけてひとつの試合に挑んでいる。
みている方は、なんだか気が気じゃないっす。
あと1週間でまた次の号が発売されます。
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